平成27年4月1日から労災保険率が改定されました

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厚生労働省は、4月1日から労災保険率の改定を行いました。今回の改定では、一人親方などの第二種特別加入保険料率や海外派遣者の特別加入に対する第三種特別加入保険料率、建設事業において労働者に支払う賃金の総額を把握するのが困難な場合に用いる労務費率(請負金額に対する賃金の総額の割合)もその一部が改定されました。

■労災保険率の改定概要

労災保険の保険料は、事業主が1年間に労働者に支払う賃金の総額に労災保険率を掛けて算出します。労災保険率は54に分類した業種別に設定され、3年おきに改定されています。平成27年4月1日から「たばこ等製造業」は、「食料品製造業」に統合されました。

1.労災保険率等の改定

・業種ごとの労災保険率について、全54業種平均で 0.1/1000 引下げ(4.8/1000→4.7/1000)。
・全業種中、引上げとなるのが「石灰石鉱業又はドロマイト鉱業」、「その他の鉱業」、「繊維工業又は繊維製品製造業」、「木材又は木製品製造業」、「金属精錬業」、「鋳物業」、「農業又は海面漁業以外の漁業」及び「倉庫業、警備業、消毒又は害虫駆除の事業又はゴルフ場の事業」の8業種。
・一人親方などの特別加入に係る第2種特別加入保険料率について引上げとなるのが「特3・漁船による自営業者」、「特6・再生資源取扱業者」、「特10・金属等の加工、洋食器加工作業」、「特12・陶磁器製造の作業」及び「特13・動力機械による作業」の5区分。
・海外派遣者の特別加入に係る第3種特別加入保険料率について、4/1000から3/1000に引下げ

2.労務費率の改定

請負による建設の事業に係る労務費率(請負金額に対する賃金総額の割合)を以下のとおり改定
建設事業の種類 平成27年度の労務費率 平成24~26年度の労務費率
水力発電施設、ずい道等新設事業 19% 18%
道路新設事業 20% 20%
舗装工事業 18% 18%
鉄道又は軌道新設事業 25% 23%
建築事業(既設建築物設備工事業を除く。) 23% 21%
既設建築物設備工事業 23% 22%
機械装置の組立て又は据付けの事業
・ 組立て又は取付けに関するもの
・ その他のもの
40%
22%
38%
21%
その他の建設事業 24% 23%
 

3.請負金額の取扱いの改正及び労務費率の暫定措置の廃止

・請負金額には、消費税額を含まないものとする
・賃金総額の算定に当たり、請負金額に108分の105を乗じている暫定的な措置を廃止

4.平成27年度の雇用保険率(※平成26年度の料率が据え置かれました。)

事業の種類 ①+②
雇用保険料率
労働者負担
(失業等給付の保険料率のみ)
事業主負担 事業主負担の内訳
失業等給付の保険料率 雇用保険二事業の保険料率
一般の事業 1.35 0.5 0.85 0.5 0.35
農林水産清酒製造の事業 1.55 0.6 0.95 0.6 0.35
建設の事業 1.65 0.6 1.05 0.6 0.45
 

参照ホームページ[厚生労働省] http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/hoken/index.html

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