有給休暇の消滅について

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photo001_121初めましての方もいつもお世話になっている方もこんにちは。

上田経営管理事務所スタッフブログ担当の川村です。

 

 

さて今回の疑問は・・・・・・

有給休暇については、前年度に発生したものに限り翌年に繰り越せると聞きました。
それ以前の有給休暇は自動的に消滅してしまうのですか。
 


A 就業規則の記載によって、前々年度以前に発生した有給休暇は繰越せず、消滅することになります。

 

(1)有給休暇の消滅

労働基準法では、有給休暇の請求権の時効は2年と定められています(労働基準法第115条)。
すなわち、「有給休暇は前年度に発生したものに限り繰越せる」というのは、
それより前のものは時効によって消滅してしまうというルールの裏返しということになります。

 

(2)消滅させる方法

有給休暇が2年の時効にかかるとしても、実はそれだけでは自動的に消滅するわけではありません。
時効により権利を消滅させるには、「援用」という行為が必要になるためです。
援用というのは、「時効の主張をしてその権利を消滅させる」という意思表示です。
援用をせずに黙っていては、権利は消滅せず残り続けることになります。
では、この援用をどのように行うのでしょうか。

実は、「前年度に発生したものに限り翌年に繰り越せる」という旨を
就業規則に記載しておくことが、援用そのものということになります。

援用には方式の指定はありません。
そのため、就業規則に記載することも援用として認められます。
また、援用には相手方の同意は必要ありません。
時効を主張する者が一方的に行うことができます。
このようなことから、多くの就業規則には

「前年度に発生したものに限り翌年に繰り越せる」

旨の規定があり、時効によって前々年度以前の有給休暇が消滅する仕組みを
就業規則で作っているということになります。

 

就業規則は会社の決まり事を集めたものです。
今回の記事のように就業規則の中の有給休暇について
「前年度に発生したものに限り翌年に繰り越せる」という文が
記載されているかのぞいてみてはいかがでしょうか。

また、就業規則について気になることがあるという顧問先の皆様
就業規則の変更や作成、ご相談などぜひぜひ弊所までご連絡下さい。

これからもよろしくお願いいたします。

 

28.7.13 上田経営管理事務所  川村

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