就業規則作成時の心構え

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就業規則による企業防衛措置

よく、労務管理の相談を受けていると、「そこまで細かいことをしなくても良いのではないでしょうか?」とか、「会社には問題社員と呼ばれるような従業員は、ほとんどいません。ですので、その対策としてこのような条文を入れたところで複雑になるだけではないですか?」といった内容のことをよく耳にします。そこで、私自身は、「私自身が社会保険労務士として依頼を受け就業規則を作成するときの心構は、会社と労働者を仲良くさせるためのものという立場から作成することにしています。」とよく話します。もちろん、相談をしてくれている方の仰る通りなのかもしれません。しかし、就業規則には様々な役割がありますが、その中でも、近年、労使紛争が発生した場合には企業防衛措置という役割が、非常に重要になってきているのも事実なのです。

未然に紛争を予防する姿勢が大切

労使紛争が発生した場合の企業防衛措置という言葉から想像されるのは、「労使でトラブルが発生した場合には、裁判所などで相対立する労使が争ったときに、闘えるための就業規則の作成」といったイメージが湧くと思います。もちろん、私自身も依頼人に対し問題をおこす従業員によって不条理な労使トラブルが発生した場合には、断固として闘うべきだと依頼人に話すとともに、加えて就業規則によって未然に紛争を予防する姿勢を、いつも意識して持っておくことも非常に重要であると話すようにしています。

仲良くするための組織風土作りへの姿勢

私自身は、就業規則によって未然に紛争を予防する姿勢とは、少なくとも、個別に締結している労働契約に定める労働条件を、就業規則の適用によって組織的に管理するという点からは、ルールを明確化することによって公正な評価の基準を示すことができること、そして、その公正な評価基準より判断して、ほとんどいないであろうと思われるような問題社員に対しても、厳格な態度で会社が対応できるとすれば、未然に紛争の発生を予防できるばかりか、額に汗して働くまっとうな従業員の就業意欲にも良い影響を与えるのではないかと考えています。しかし、ここで注意していただきたいのは、私が言いたいのは、就業規則を杓子定規に適用するということではありません。公正な評価基準とその適用を支える背景として、合意形成が行われやすい労使関係を構築する姿勢、すなわち、労働者と使用者が仲良くするための組織風土作りをする姿勢なのです。

就業規則の運用がカギ

当事務所では、依頼により就業規則を作成する場合には、原則として顧問契約をしていただいている事業主様のみとしているのは、就業規則を作成には運用が出来ること、そのために労働者と使用者を仲良くさせることが当事務所の役割であると考えるからなのです。各従業員の力を最大限に発揮させるとともに、いざ労使トラブルが発生したときは、それにより発生する損害を最小限に抑えることが理想ではないでしょうか。
たしかに、助成金や補助金を始め何らかの手続をするために必要となり就業規則を作成したり変更することも企業経営上とても大切なことであると思います。しかし、就業規則の役割を考えると、せっかく作成した就業規則を運用面からも、きっちりと労務管理に活かし「労働者と使用者を仲良くさせる」ための取り組みという点からも就業規則を整備することを検討してみませんか?

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